腰痛の重症度、緊急性のもととなるレッドフラッグ #腰痛 治療の新常識19
腰痛の重症度、緊急性のもととなるレッドフラッグ
重篤な脊椎の疾患(腫瘍、炎症、骨折など)の合併を疑うべき危険信号を「レッドフラッグ」といいます。
腰痛でも以下に当てはまる場合は、早急に検査を行って原因となっている疾患の特定を行います。
・発症年齢が20歳以下、または55歳以上
・時間や活動性に関係のない腰痛(安静にしていても痛む)
・胸部痛
・栄養不良
・体重減少
・広範囲に及ぶ神経症状*
・構築性脊柱変形(側彎症・そくわんしょうや後弯症・こうわんしょう)
・発熱
*神経症状:神経の圧迫による痛みやしびれ、麻痺等の症状。脊髄麻痺など重篤な症状の場合は迅速な治療を必要とする
2012年に日本整形外科学会と日本腰痛学会の監修による「腰痛診療ガイドライン2012」より。
以上の所見がみられる場合は医療機関での早急な精密検査が必要になります。
エビデンスとは医学で、臨床結果などの科学的根拠。その治療法がよいとされる証拠の事。
エビデンスは,質が高い順に1~5に等級分けされる。各レベルにどの種類の研究が含まれるかは臨床的設門によって多少異なる。
一般にレベルAのエビデンス(最も質が高い)には複数のランダム化比較試験のシステマティックレビューまたはメタ分析,および質の高い単独のランダム化比較試験などがある。
レベルBのエビデンスは適切に設計されたコホート研究である。
レベルCのエビデンスは、症例対照研究である。
レベルDのエビデンスは、症例集積研究ならびに質の低いコホート研究および症例対照研究である。
レベルEのエビデンスは批判的評価に基づかず、病態生理、基礎研究、または基礎原理からの推論に基づいた専門家の意見である。